マイナーな人物の歴史小説(日本史)

歴史小説好きとして、織田信長豊臣秀吉徳川家康のような有名人物をじっくり書いた正統派作品を読むのも良いですが、歴史マニアでさえ知らなかった(あるいは評価していなかった)人物の意外な活躍*1を描いた作品を読むのも新鮮で楽しいものであります。
そんなマイナーな人物を取り上げた歴史小説を募集したのがこちらの質問。
できるかぎりマイナーな人物(日本史)を取り上げたおすすめの歴史小説を教えてください。 歴史好きでもあまり知られていない、あるいは大した人物と思われていない。 だけど実はこんな重要な役割を果たしていた! そんな風に楽しめる作品です。 (残された史料は少なくても作家の力で魅力的に描かれているとか) 例としてはこのあたり。 『天魔ゆく空』足利政元 『蛍の城』京極高次 『風は山河より』菅沼定盈(菅沼三代)
回答にあった『雷神の筒』を読み終えたのを機に、今まで読んだマイナーな人物の歴史小説をまとめてみようと思いました。
ただどれくらいマイナーかというのを客観的に判断しようとしても史料の多寡くらいでしょうか。
生存した時代やその人の身分によっても認知度の傾向は変わるし、ドラマや映画などに取り上げられたりして時代とともに変わることもあるし。
結局は主観によりますが、ある程度歴史に詳しい人視点で判断してみました。

人物 経歴等 マイナー度 作品 著者 内容評価
秋山虎繁(信友) 武田二十四将の一人で信濃伊那方面を担当。信玄の西上に伴い、東美濃方面にて対織田作戦に従事する ☆☆☆ 霧の城 岩井二四三 ★★★★
浮田幸吉 日本で初めて空を飛んだとされる人物 ☆☆☆☆ 始祖鳥記 飯嶋和一 ★★★★★
恩田民親 宝暦年間の松代藩財政再建 ☆☆☆☆ 真田騒動−恩田木工 池波正太郎 ★★★★
京極高次 閨閥で出世したことによる異名「蛍大名」・大津籠城戦 蛍の城 秋月達郎 ★★★
菅沼定盈 野田城の戦い(1573年) ☆☆☆ 風は山河より 宮城谷昌光 ★★★★★
中島三郎助 ペリー来航時の浦賀奉行所与力 ☆☆☆☆ くろふね 佐々木譲 ★★★★
長野業政 上野国西部の豪族、武田信玄の上野侵攻を阻む 業政駆ける 火坂雅志 ★★★★
成田長親 忍城攻防戦の城代 ☆☆☆☆☆ 水の城−いまだ落城せず 風野真知雄 ★★★★
橋本一 織田信長の鉄砲の師匠 ☆☆☆☆☆ 雷神の筒 山本兼一 ★★★
細川政元 足利幕府管領明応の政変 ☆☆ 天魔ゆく空 真保裕一 ★★★★
向井正綱 駿河国の武田→徳川水軍の将 ☆☆☆ 見知らぬ海へ 隆慶一郎 ★★★★★
結城氏朝・持朝 結城合戦(1440年) ☆☆☆ 天下の旗に叛いて 南条幹夫 ★★★

基本的に実在とされた人物を対象にしています。
無名の人物が主人公になっている歴史小説がいくつかあって、実在の人物なのか調べてみてもその作品しかヒットしない場合は創作人物と判断して外しました。
はてなダイアリーおよびはてなグループ日記で記録している分(約9年分)より探してみましたが、やはりさほど多くは無いものですね。
それより前に読んだ本ならば書棚を探せばありそうですが、また後日追加ということで。

*1:そこに著者の創作が入ったとしても