学生時代にバイト先で知り合った人の話

バイト先であるコンビニの常連客で親しくなったのが近くの工場に技術者として勤務していた当時30代前半の男性Aさん。
一回りほど歳は違うけど気さくな人で、来客の切れ目のほんの5分か10分の間にパソコンやゲーム関連の話をよくしていた。
もっとも学生の自分と違って、向こうの方が物も知識も豊富だったので、よくゲームソフトを貸してもらったり、色々なことを教えてもらっていた。
そういえば、職場で廃棄するはずのフロッピーディスク(フォーマットすれば充分使えるが故障品も混ざっていた)を大量にもらったこともあった。
考えてみれば、いくら廃棄品でも本当はマズかったよね…。当時は管理が緩かったのかもしれないけど。

基本的に店で話すだけだったのだけど、ある日Aさんが家を建てたというのでお誘いを受けて遊びに行ったことがある。
実家が最寄駅から車で30分くらいの片田舎だったけど、その家も負けず劣らず周りが畑ばかりの辺鄙なところにあった。それだけに庭は広かった気がする。
新築だというけど、すでに数週間~1か月くらい?住んでいたようなので、とりたててピカピカって感じはなかった。夕方から夜にかけての暗い時間帯でじっくり見たわけじゃないからかもしれないが。
まぁそこは一人暮らしの男性の家だから…。
それに普通に家族が暮らせるくらいの家に一人でいるわけだから、ところどころ空いたスペースに殺伐さを感じてしまった。
でもAさんらしいと言えば、マシンルームと化した趣味部屋(笑)
少なくとも3台はPCが並んでいて、他にも部屋いっぱいにいろいろ機器が積んであった気がする。
Aさん得意そうにいろいろ説明してくれてたけど、理解しきれなくて、ただただスゲーって思った。
立派な家も建ったし、あとは嫁さんだねぇと当時話していた気がするが、自分が既婚の今になって思う。順番逆じゃない?
独身でお金に余裕あるならば利便性のいい広めの賃貸アパートかマンションに住み、結婚してから夫婦で将来のことを考えて家を購入した方がいいんじゃないかなぁ。
まぁ当時のAさんの事情など詳しくは知らなかったから一概には言えないけれど。

自分が就職活動のためにバイトを辞め、卒業後は東京に出たので自然にAさんとも会わなくなってそれきりになった。
学生時代のバイトのことに思いを馳せる時、Aさんとあの家のことを思い出すこともある。
幸せに暮らしているのかなぁと。