TBS「日曜劇場『JIN-仁-』」(完結編)第1話

一週間遅れてしまいましたが今回も感想を書いていきますね。

時を超え、南方仁大沢たかお)が幕末の江戸時代に迷い込んでから、2年ほど経ったある日のこと―。
落ち込む橘咲(綾瀬はるか)の様子が気になり、咲の実家を訪ねた仁は、咲の兄・橘恭太郎(小出恵介)から、咲の母・栄(麻生祐未)が脚気であることを明かされる。恭太郎によると、数日前、栄の身を心配する咲が橘家を訪れ、医師に診てもらうよう進言したのだが、縁談を破談にしてしまった咲をいまだ許していない栄は、咲が橘家の敷居を跨ぐことさえ認めず追い返してしまったというのだ。何とかして栄を助けたいと考えた仁は、甘いものが好物だという栄のため、とあるお菓子をこしらえて脚気治療を行おうとするのだが・・・。
そんなある日、仁に助けを求め、京から坂本龍馬内野聖陽)がやって来る。聞けば、勝海舟小日向文世)の師である佐久間象山市村正親)という人物が何者かに襲われ、ケガをして瀕死の状態に陥っているというのだ。時代に影響を与えている重要な人物を助けることで、「歴史を大きく変えてしまうのではないか」と悩みつつ、龍馬と共に京都入りする仁。そこには、生きているのが奇跡といえる程の重症を負った象山の姿があった。
仁の必死の治療の甲斐もあって、なんとか一命を取り止めた象山。その時、意識を取り戻した象山の口から、驚きの言葉が…!
その後、京都に留まり、長州と薩摩の戦いによって怪我をした人々の治療に専念する仁は、突然現れた新撰組によってどこかへ連れ去られてしまう。仁が連れて来られたのは、薩摩藩邸にいる西郷隆盛藤本隆宏)のもとだった。西郷は、今すぐ腹を切って手術をしなければ、命の危険にかかわるほどの虫垂炎を患っており…!?
第一話あらすじより

しょっぱなからクライマックス間近と思わせるような中身の濃い内容でした。
約2時間(初回のみ)のあらすじは上記の通りですが、栄さんの脚気治癒のための安道名津(あんドーナツ)はさる高貴な方との縁と仁友堂の危機に繋がるし(予告によると次回描かれる模様)、坂本竜馬に懇願されて京に行った先では攘夷派に襲われて瀕死となった佐久間象山に出会っておおいに影響受けるし、蛤門の変(禁門の変)で焼きだされた人々を治療する中で東修介*1に出会ったりと、初回なりにいろいろと今後を予想させる出来事てんこ盛りでした。


コミックスでいえば2〜3巻分でじっくり書かれたエピソードを詰め込んだだけに多少駆け足っぽくはありますが、繋がりは自然でかつ要点は押さえた流れだったので違和感無くあっという間に感じた2時間でしたね。
原作での特色でもある、医療を通じて歴史上の有名人物との出会い、歴史を変えてしまうことと医者としての使命との狭間で苦悩する仁の様子がよく伝わってきました。
そういう意味では一時にしろ現代を垣間見た佐久間象山との邂逅、仁の背を押すことになる「思いのままに救え!」のシーンは熱演でしたね。わずかな時ではありましたが、前シリーズで武田鉄矢演じた緒方洪庵に続いて時代の先端を走っていた偉人が死の間際に仁を理解しそして道筋を与えたということで感慨深いですねぇ。
そういや虫垂炎を患っていた西郷吉之助(隆盛)の手術前後では危うい場面がありましたが仁は度胸と機転でなんとか凌ぎました。この時代では本来治療ができないはずの虫垂炎の開腹手術、そして長州残党の刃をも防がせたとは、仁をして神が歴史を動かさせたとも受け止められますがどうでしょうか?*2


前回ではふくよかすぎる山田純庵ら一部の人物に原作とはイメージが違うために違和感を感じたこともありましたが、完結編が始まって見てみると多少馴染んだ感じかな。個人的にはやっぱり咲さんら橘家の人々や坂本竜馬が好感持てます。
ところでオープニングで一瞬見られた謎の男とエンディングで見れた野風の馬上の洋装姿から想像するに、やっぱり原作漫画の結末に近づけていくのでしょうかね。

*1:架空の人物だが、最後まで仁に関わり重要な役割を果たす

*2:まぁ神といっちゃあアレですけど、(仁のタイムスリップによる?)アクシデントによって狂いが生じた歴史の修復力とも言うべきか