『-JIN-仁』がついに最終回を迎えたことを知り*1、そろそろ新しく歴史漫画を開拓しようかと本屋をブラブラしていた先週金曜の夜。
ふと映画化につき平積みされていた漫画『大奥』が目に入ったのですね。そういえば以前id:taisin0212さんにお薦めされたなぁと。
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もっと早く読んでいれば良かった!!*2
土日で4巻まで買って一気に読んでしまったです。はい。
冒頭で赤面疱瘡という架空の病気の流行によって男子が著しく減少。官僚化が進んだ幕藩体制では男女の役割を逆転させて維持していったという経緯が語られます。簡単な説明ですけれど、そこは以降のストーリーがテンポ良く進むのと、追々過去に何があったかが少しずつ明かされていくので、続きが大いに気になってしまうのです。
いわゆる大奥に渦巻く男同士の争いも当然あるのですが、ドロドロ感は控えめでむしろ架空の歴史物語といった感じで読めるのが気に入った大きな理由だと思います。
一巻の吉宗・水野編が意外と自然で爽やかな感じで幕引き、二巻以降で三代将軍家光の御世に赤面疱瘡の流行により若い男性が極端に減った結果、どのように歴史が動いていったかをじっくり描き、つい惹きこまれる巧妙な展開を見せてくれます。
最後の男である将軍家光逝去後、その娘が女将軍家光として跡を継ぎ、以降大奥は将軍に仕える男ばかりの場所となる(士だけでなく農工商も女性が主役となり、ついでに吉原も男娼の街として復活するw)。
武断政治から文治政治への変遷を男女逆転に沿って描いていくように、きちんと史実を踏まえているだけでなく、庶民の視点からも江戸時代の世相を描いているので、これは男女問わず歴史好きにも楽しめる内容じゃないでしょうか。あ、きらびやかな衣装など絵としての表現もなかなかのものではないかと思います。
さらに江戸時代前半の将軍家周辺を語るには欠かせない人物であるお万の方や桂昌院も男として活躍しているのも面白いです。*3
やっぱり幕末の天璋院(篤姫)まで続くのでしょうか。この世界の幕府(日本)の行方が非常に気になります。とりあえず歴史漫画として楽しみが一つ増えましたよ。
歴史は苦手だがドラマ「大奥」は好きだった妻にも薦めておきました。もっとも妻は映画の方が気になるようですが(笑)