TBS「日曜劇場『JIN-仁-』」第5話、第6話

放映してからだいぶ日が経ってしまいましたが、珍しく毎回見続けているドラマなので簡単な感想を書いていきたいと思います。

第5話「神に背く薬の誕生」

野風(中谷美紀)の頼みを聞き入れ、仁(大沢たかお)はもう一人の患者を診察することになった。その患者とは、野風の先輩花魁である夕霧(高岡早紀)。夕霧は重度の梅毒に侵されており、江戸時代の医術では手の施しようがない状態であった。
なんとか救ってほしいと野風から懇願された仁だが、特効薬である「ペニシリン」がない今、自分でも治すことはできないと告げる。しかし、これ以上梅毒の患者を増やさないためにも「まずは廓の中からの予防が大切」だと考えた仁は、緒方洪庵武田鉄矢)とともに鈴屋の女郎たちに梅毒の検診を申し入れることに。ところが、仕事を失うことを恐れた女郎たちに真っ向から拒否され、途方に暮れてしまう。
そんなある日、とあるきっかけでついにペニシリンの製造方法を思い出した仁は、すぐさま西洋医学所に走り、洪庵たちにペニシリンの作り方を説明。
しかし、夕霧の容態は刻一刻と悪化しており、ペニシリンの製造が急務になっていた。思うように事が運ばず、もはやこれまでかと思われたその瞬間、ついにペニシリンの薬効が確認され−−!?
※公式H.Pのあらすじより


詳しくは知らないけど、梅毒末期状態って体の内部だけでなく見た目もかなり酷い状態になるんじゃないかと思うのですが、さすがにドラマじゃ抑えられていますね。
まぁ一応、病気に対する江戸時代人の認識についても触れらていたのは良かったです。
医学の歴史を大きく変えることになるペニシリンの発明については、原作では青カビからの生成は研修医時代の友人から聞いたのだけど、ドラマでは後に恋人となる・未来みき)から得たことになってる。オリジナルキャラクターである未来とのエピソードとして、これくらいの改変なら気にならないかな。


見ててすごいなと思ったのが、科学技術が発達していない時代に青カビからペニシリンを生成しようとする仕組み。かなり大掛かりであり、ああやってビジュアルで見せられるといかに大変だということがよくわかりますね。*1
そうそう、青カビと言えば、咲が医学所に持っていった差し入れの重箱の中身には笑わされましたよ。
それにしても、ラストでまた写真が変わってびっくり。

第6話「生きてこそ…」

江戸時代にはなかった「ペニシリン」を作り上げ、梅毒治療に一石を投じた仁(大沢たかお)。その神懸り的な医術は、江戸の町に次々と広まり、南方大名神という護符まで出回るほどの大評判となっていた。そんな噂を聞き入れてか、仁は医学館の奥医師との対面を申し込まれる。
医学館の奥医師である多紀(相島一之)と対面した仁は、多紀からその素性について問いただされる。護衛についてきた龍馬(内野聖陽)や恭太郎(小出恵介)も一緒になって、仁の素性をうまくはぐらかそうとするが、医学館の仁への不信感はますます強いものになるばかり。
そんな時、同席していた医学館の福田玄孝(佐藤二朗)が突然腹痛を訴え、その場に倒れこんでしまう。福田を診察し、胃潰瘍穿孔の可能性が強いと判断した仁は急遽、医学館の面面が見つめる中で緊急手術を行うことに…。
さらに、佐分利(桐谷健太)が、西洋医学所を揺るがす事件を引き起こしていたことも発覚して…!?
※公式H.Pのあらすじより


メインとなるのが医学館での胃潰瘍手術、そして刺客に襲われて危うく逃れた場面。
この回、今までの中ではもっとも良い印象でした。
道具を揃えての手術シーンはもとより、違う時代に闖入したにも関わらず医学において影響を及ぼしてしまった仁の難しい立場が表面化したり。
更にタイムスリップして以来、何度も病と闘ってきてもリアルに生きている証を感じられない仁。そこを咲に助けられて、時代は違えど生きている実感を得たあたりは納得できる作りになっていたと思います。
実はそれまでの咲はなんか仁のストーカーじみた(笑)、どうもはっきりしない演技が目立ったのですが、やっと咲本来の思い切りの良さが見られたなって感じです。


それにしてもですね、先の山田純庵と同様に福田玄孝はあまりにも原作とイメージかけ離れてしまってますね。今後の仁のサポート役として欠かせない人物だけにちょっと気になります。それに佐分利医師が乳癌のエキスパートというエピソードは省略されるらしい。*2
一方で緒方洪庵役の武田鉄矢によって会話のメリハリが効いていますね。次回でついに病に倒れることになりそうですが。

*1:その割には成功率低いのだし

*2:乳癌手術によってあの三隅俊斉が絡んでくるのだけど、それによって話が長くなってしまうか