最近読んだ漫画(3〜4月)

学園黙示録 HIGHSCHOOL OF THE DEAD』4巻

国家の首脳まで<奴ら>*1に冒され、頭上はミサイルが飛び交う破滅的状況の中、高城家で一時の安息を得たかと思えば紫藤らの乱入などによって、再び過酷なサバイバルを強いられる主人公たち。
そこかしこで<奴ら>が跋扈する世界の中で、主人公たちに未来はあるのか。いよいよ佳境を迎えてきた感があります。今回は麗や冴子の過去も語られたし。それにしても憎たらしい奴も好人物も分け隔てなく<奴ら>の犠牲になってしまうのが原作者らしさか。


女性陣の扱いはちょいと変化が。前巻あたりから宮本麗よりも毒島冴子の方にウェートが置かれつつありますね。1〜2巻で孝と麗はフラグ立ったかと思ったけどそうでもなかったみたい。まぁ冴子には戦闘時の圧倒的な強さに対して、日常的なシーンでの天然さとのギャップが男性読者としてはかなり萌えるところがあるのかもしんない。

センゴク』6,7巻

センゴク(7) (ヤンマガKCスペシャル)

センゴク(7) (ヤンマガKCスペシャル)

強大な敵の登場と克服、そして友の死によって大きく成長した仙石権兵衛。一応史実に則っているので、わずかな史料から山崎新平俊秀(wikipedia:山崎新平)という武将をグレードアップさせたのかな。
そして、いよいよ物語は信長包囲網序曲といったところ。影で暗躍する策士・斎藤竜興の意外性にインパクトありすぎな顕如下間頼廉はほぼイメージ通り)。織田にとっての敵側の描写も面白い。
戦闘場面において、現代用語と歴史用語が混在するのはもはや慣れてきましたよ。


そしてもう一つ気になるのは権兵衛とお蝶の関係。ただの使いのはずが権兵衛に心惹かれてしまう透波のお鹿*2や、お蝶と親しくなる朝倉家家臣・鳥居兵庫助景近の登場で波紋が。このあたりはとってもドラマティック。7巻の最後は比叡山焼き討ちのクライマックスでお蝶の住居が炎上。非常に気になるのでこれは早く8巻を読まねば。

チェーザレ―破壊の創造者』2,3巻

チェーザレ 破壊の創造者(3) (KCデラックス)

チェーザレ 破壊の創造者(3) (KCデラックス)

1〜2巻は状況説明が多かったのですが、3巻からはより人物描写に力を入れてきた感がありますね。
大学といっても複数の民族・身分によって分かれているため、当時の人々が抱く意識が伺えます。スペイン団とフランス団の対立を通して、民族差別やレコンキスタを始めとする宗教対立をさりげなく説明するあたりはうまい。宗教戦争は日本人にとってはなかなか理解しにくいものですからね。
そして、ダ・ヴィンチマキァヴェッリといった歴史上の有名人の登場場面が印象的。そして絶対かと思われたチェーザレと腹心・ミゲルやアンジェロとの間柄も今後波紋を呼びそうで気になるところです。
それにしても情景描写も素晴らしい。巻末によると、実際に残っている建物から当時の建築様式などを取り入れて復元を試みているそうです。さりげなく挿入されている一コマ一コマから中世イタリアの様子が伺えるのがいいですね。

*1:いわゆるゾンビ

*2:もう一人斎藤家の女中でお猪がいるので、3人合わせて猪鹿蝶(花札用語)