『皇国の守護者』5巻
皇国の守護者 5 (5) (ヤングジャンプ・コミックス・ウルトラ)
- 作者: 伊藤悠,佐藤大輔
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2007/11/19
- メディア: コミック
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5巻最後はきりがいいとは言え、守原家中心による皇国軍の反攻案がどうなるのか(そこに新城がどう関わるか)、着実に物資を蓄えた帝国軍の内地侵攻は?そして明かされた直衛と蓮乃の過去、やっと出てきた新城の同期(羽鳥のみですが)などなど今後気になる要素てんこもりのままお終いなんですよねぇー。*1
今後の戦いの趨勢はもちろん、物語が進むに連れて複雑さを増してくる新城直衛の内面や彼をとりまく人物達*2がどう描かれるか楽しみにしていただけに非常に残念です。
今回は戦闘描写は少なかったですが、会話および漫画ならではの表情が見もの。例えばユーリアのむきになって怒った顔とか、羽鳥の狡賢そうな顔とか。あれ?そう言えば新城自身は表情の変化は乏しいっすね。その代わり内面の複雑さはやはり台詞に頼らないと。これが格好いいのだけど。
「名誉ある敵がどこにいるか
それについては誰にでも教えられる
僕はそう信じている」
「他人の欠点をあげつらっていい気になっている莫迦娘の
玩具になるような大胆さの必要性を僕は感じません」
「笹嶋さん 失礼を承知で申し上げるならば
僕はあなたがひどくうらやましい
すくなくともあなたは自分がどこから来たか
それを確信している」
そんでもって新城との対面の別れ際のユーリアのこのセリフ
後日の二人を考えると(・∀・)ニヤニヤしますな。
私があなたの国を滅ぼすまで絶対に生きていて頂戴
あなたの<皇国>とやらが亡びたあとで
必ずあなたを見つけ出してあげる
<大協約>は自国民に適用されない場合が多いの
本当に楽しみだわ
続きは原作を読み直すしかないようで・・・。
『センゴク』1巻
- 作者: 宮下英樹
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2004/11/05
- メディア: コミック
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普通の人物紹介では数行程度で済まされてしまうマイナーな戦国武将の人生を取り上げて、その青少年期を読めるのは漫画ならではかなぁと。
煽り文句の通り、一般的な戦国もののイメージをぶち壊すという点では成功していると思います。戦後の首実験シーンをあそこまで描くのは今までの歴史漫画には無かったかも。*3
反面、日本史系の漫画を読んでいつも違和感を感じるのが二人称なんですよね。兵達が自分たちを「織田軍団」と呼ぶか、主君のことを「信長様」と呼んだのか?*4
でも歴史に興味無い人にも受けるような、わかりやすさを取ったのかもしれません。そういう感情描写とか会話が随所に見られるので。
実は仙石秀久って秀吉配下の中では古参な方らしいです。まだ木下籐吉郎と呼ばれた下級将校時代のせいか、本音でぶつかれる間柄が面白い。また、どことなく影のある秀吉の描き方も新鮮。(それにしても、いくら異父弟だからって小一郎秀長は兄に全然似てないぞ!)
今後が楽しみです。
『へうげもの』1巻
- 作者: 山田芳裕
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2005/12/22
- メディア: コミック
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絵としてはさほどでもないなぁと思ったけど、『センゴク』の触れたら切れそうな鋭さを連想する信長と違って、数寄者の点から描いたこちらの信長もらしくていいですし、何より物に対して異常な欲を見せる佐介(織部の通称名)の感情や行動が、戦国武将の型通りのイメージにはまってなくて面白い。
戦国の終り頃から江戸時代初期にかけて傾き者(かぶきもの)が登場しましたけど、佐介はその先駆者だったのかなぁ。
こちらは1巻から安土城が完成し、信長が諸国へ軍勢を派遣して天下統一への道を着々と進めている時期ですが、光秀・秀吉、そして千利休らに何か裏がありそうな気配。*6
ちなみに各話のタイトルが歴史物っぽく無いなぁと思いつつ、最終頁見て気づいたのですけど古今東西の曲名(一部改変)が使われているんですよ。なかなか味があっていいですよ。毎回毎回探すのが大変でしょうけどね。