95冊目 『闇の本能寺』

先週末、積読本が消え、注文した本も遅れている状況ということで、久しぶりに戦国ものを読もうと本棚から引っ張ってきました。
戦国時代最大の謎と言ってもいい本能寺の変を書いた小説ベースの作品です。


織田信長に敵対する勢力側からの視点という点*1を除けば、特に奇をてらった内容というわけではありません。
特徴としては、ある意味信長を罠にはめた人物がキーになっていますね。狙撃や毒殺も難しいということで、本能寺の変は大掛かりな仕掛けの結果であったのだろうということです。


現代からの視点で言えば、信長は旧弊を打破して新しい時代を切り開いた改革者でありますが、当時の既得権益者からすればただの迷惑な破壊者だということが理解できます。中には一見味方のようでいても動き次第でいつでも裏切るという者さえいるという点で、最初から敵であるより厄介です。
そう考えると、日本の歴代総理が「改革、改革」と叫んでも実際はなかなか改革が進まない理由がわかるような気がします。現代ではそう簡単には信長にはなれないですから。

*1:信長の悪い点が強調されているので、信長ファンには向かないでしょう