正月のTV番組より

最近ではお正月のスペシャル番組などほとんど見なくなった私でして、長編ドラマも録画しておいても結局見ないので今では無視。
そんな中で今年はちょっと興味を引いた番組があったのです。
タモリのヒストリーX 1/3 フジテレビ 23:30〜0:30
「歴史好きのタモリを唸らせるような、衝撃の歴史的新説を披露するのは誰か?」
お題と主な内容は以下の通り。

巌流島の決闘は後世に弟子達によって作られた内容。実は宮本武蔵一党が先に来ていて、万一の為に弟子を配置しておいた。
苦戦の末に佐々木小次郎に勝った武蔵だったが、とどめは弟子達がよってたかって倒した。

聖徳太子と呼ばれる人物は100年以上後に作られた虚像。
モデルとされた厩戸皇子には、確実に残っている事跡として斑鳩寺建立くらいしかない。
中国など外国に対して、日本にもこんな立派な人物がいたと自慢したい為に作られたのではないか。

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かつて春日局のように乳母が権力を持った例を避ける為に、乳母は覆面をして授乳をした。

強い戦国武将と呼ばれる信玄だが、実はかなり慎重で必ず勝てそうな戦を行い、勝ちが決まったと思った場面でないと騎馬隊や風林火山の旗を使わなかった。
寵童出身であった高坂昌信の言うことはよく聞いた。高坂昌信の表した「甲陽軍鑑」は武田信玄のことを褒め称えているのである。

※()内はプレゼンテーター。内容は記憶によるので、間違っている部分もありえます。


まぁ、内容は既知のものが多々あったけど、意外なものもあってそれなりに楽しめました。
バラエティ番組に真剣に突っ込むのもどうかと思うので細かくは書きませんが、一つだけ。最後の武田信玄で、「逃げの高坂(弾正)」は臆病という意味じゃなくて、退却戦の巧さから来ているはずでしょ。「甲陽軍鑑」の作者と言い切るのもどうかと。*1


一ついいこと言っているなと感じたのは、歴史とは新しい史跡の発見によって、それまでの定説が簡単に覆るということですね。*2
聖徳太子については、時代によって教科書でだいぶ違うのがいい例です。
若い頃に読んだ歴史書の内容を大切に憶えていても、その後の歴史学の経過によって知識が古びてしまっていることがありえるのですよね。
そういうわけで詳しいと思っているつもりでも、いつまでもその知識が通用するとは限らず、油断ならないのが歴史だと思い直しましたよ。

*1:高坂昌信原案・小幡景憲編集と言っていいかと。あと戦略的・戦術的な慎重さからくる「ビビリ」だったら織田信長の方が上かと思うけど。

*2:今まで読んだ歴史関係の本でもそのことに触れているものは少ないです