- 作者: 伊藤悠,佐藤大輔
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2006/11/17
- メディア: コミック
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細かい戦術の話は図入りでわかり易く書き、一転して戦闘シーンはど迫力で迫り、今回も堪能させてもらいました。もっともお話としては、前回よりヘビィな内容です。まさに許容もなく慈悲もなく―。
今回は新城とカミンスキィ、バルクホルンが合い見まえました。こうして比べてみると、主人公のくせして新城はなぜにあんな単純な顔しているのか今更ながら気になりましたが。
次はとうとうユーリアとのご対面になりそうですねぇ。
さて、今回も名(迷)セリフをご紹介。
「大隊長、敵がいっぱいです。そこらじゅうにいます。自分はそいつらをみなつきとめました。」
金森導術2等兵の最後。一番ツライシーンです。
ところで、某巨大掲示板の佐藤大輔スレ*1では、「敵」を「新刊」に置き換えて使われていましたね。
「現状はどう控えめにみても地獄だ。僕は平気だ。故郷のように心休まる。それに僕が稼がねばならぬ時間もいま少し残っているしね。しかし君らにつきあえとは―」
「大隊長殿。地獄で迷子になるより、いかれた指揮官と一緒に鬼どもと一合戦の方がましです。
(略)
「ならば少しばかり楽しんでみるとしようか?地獄へ向けてまっしぐらだ。曹長」
バルクホルンの騎馬中隊を迎える前の新城と猪口曹長との会話。
新城の本領発揮というか、猪口曹長との掛け合いの妙というか。
フィクションだからこそなんでしょうが、かっこいいぜ、こいつら。と思ってしまう場面ですね。
ちなみにその後のバルクホルンとの激突のシーンが今回の一番良い場面ですが、新城が選択した正面突破の撤退は、関が原の島津軍から持ってきたのでしょうね。
戦争の意味はいつでも曖昧だ。勝ち負けでさえ白黒ついていない。
無駄な勝利 意味のある敗北
そこで死に手足を失う兵にはどちらも同じだが
本隊の撤退支援の時間を稼ぐ役目を果たした(と思った)新城の台詞。
戦争の冷徹な現実を言い表している言葉のような気がしますね。
*1:しばらくあそこには行っていないけど、煉獄の宴はまだ続いているのだろうか