祖父と煙草と私

goldwell2006-07-07

値上げ前に3カートン買い込んで、これで一ヶ月持つなんて思っていたら、朝出かける時に鞄に入れ忘れて、途中で300円のマイルドセブンライトを買う羽目になり、何だか損した気分。
そんなことはどーでもいいのですが、煙草の値上げがある度に思い出すことがあります。


私が実家で暮らしていた時の家族の中では、祖父が唯一の喫煙家でした。*1
で、両親が共働きで、じいちゃん・ばあちゃん子だった私は小学生の間は、帰宅してから夕飯の時間までテレビのある居間で祖父母と一緒にいることが多かったですね。
だいたいテレビ(といってもほとんどNHKの大相撲か時代劇の再放送)を見たり将棋を教えてもらったりしていましたが、傍で爺さまはいつも煙草をプカプカ( ´ー`)y─┛~~~~。考えてみれば、副流煙吸いまくりの小学生だったわけですねー。時には煙いなぁとは思うことはありましたけど、焚き火の煙と同様の感覚でしたね。


時にはお使いを頼まれて、近所の店まで煙草を買いに行くこともありました。その頃、マイルドセブンが1箱180円です。200円預かり、お釣りの20円は駄賃として貰えました。
20円と言っても馬鹿にしてはいけません。その頃はコロコロコミックを買ったら、小遣いが半分以上無くなってしまうくらいしか貰っていなかった私にとっては、貴重な駄菓子代です。もっともばーちゃんの方が甘くて、くれるときは数百円程度の小遣いを貰ったりしていましたが。


そんなこともあって、身近にあった煙草に私が興味を示すのは当然な流れでした(いや当然でもないか)。
ともかく、小学4年の時だった思うのですが、たまたま小金があって家族が留守だった日の午後、かねてからの計画を実行に移すことにしました。


普段のお使いのように平然を装い(しかし心臓はバクバク)、いつもの店まで行きました。おばちゃんから直に買うと態度から不審に思われてしまいそうなので、数年前に設置された自販機で買うことにします。
一瞬、祖父愛用の銘柄であるマイルドセブンを選ぼうとして、やっぱり安い方のハイライト*2を選んでしまったのは、やっぱりお金がもったいない気がしたからか。で、帰りはなぜか小走り・・・。
誰にも見咎められなくて良かったのですが、やっぱり後から思えば挙動不審な小学生に見られたかもしれません(笑)


そして隠れ煙草の定番の場所・トイレに篭って、窓を開けて吸おうと思い、ハイライトのパッケージの封を切りました。
煙草の独特の匂いに、何やら大人の世界を感じて緊張しつつ、家にあったマッチで火を点けようとします。
ところが今度はなかなか煙草に火がつきません。吸いながら火を点けることまでは知らなかったわけだから当たり前です。


早くしないと家族が帰ってきてしまう。焦った私ですが、何本かのマッチを無駄にして漸く煙草に火が点きました。
とりあえず祖父の真似をして吸ってみるのですが、本当の吸い方など知るわけもなく、いわゆるフカシなんで煙ばかりもうもうと出てきて、ちっとも吸っている感覚が沸いてきません。
半分も行かない内に、吸うことに飽きてしまいました。


結局何が良くてじーちゃんは毎日煙草を吸うのか理解できないまま、ハイライトは誰にも見つからない場所に隠すことにしたのです。
それでも、何だかもやもやして刺激が欲しくなると、隠しておいた煙草を取り出して吸ってみて、味がよくわからないままに途中で捨ててしまうことを3回くらい繰り返した気がします。


あ、これって終わった後に虚しさを覚えるあたり、アレと同じじゃん、とふと思ったり。ちょっと早かったですが、そういう大人の真似事をしたくなる歳に近づいていたということなんでしょうな。
後日、そのハイライトを捨てるに捨てられない内に存在自体を忘れてしまって、何と中学2年の時に部屋の整理していてひょっこり出てきたのです。
何だか昔買って忘れていたエロ本が出てきたような懐かしい感覚に近かったですね。はは。


注:今回の写真は、下記サイトより使用させていただきました。
http://members.aol.com/pyonta31/tr002/

*1:私が吸うようになった頃、既に祖父は吸える状態ではありませんでした。

*2:昔はマイルドセブンシリーズよりハイライトの方が20円安かったのです