「もしハルノートに、せめて満州だけは権益放棄が盛り込まれずに、
ぎりぎりの線で日本が受け入れていたとしたら・・・」
「たとえ開戦したとしても日本が真珠湾の先制攻撃をしなかったために
アメリカ世論に厭戦気分が高まって早期に停戦していたとしたら・・・」
こんな設定で、もし日米開戦がなかったら、または早期停戦していたら、
この60年間、日本と世界はきっとこう変わっていただろう、
なんてHPがあったら教えてください。
戦争回避の可能性やいかにして早期講和をはかるかという点ならば、架空戦記をはじめ様々な書籍でも書かれているのを知っていますが、いわゆる戦後史をシミュレートするってのは珍しい視点です。
張り切って探してみたのですが、直後の世界状況や個人の身近な部分を想像したものはあっても、世界的かつ長い期間に渡って書いてあるサイトというのは残念ながら見つかりませんでした*1。
考えてみれば、戦後から現代までの歴史は、敗戦によるショックや連合国による占領・軍政から始まっているわけですから、その前提から崩れてしまうと予想さえも難しい。
よくあった意見なんですが、戦前=ろくでもない状態、それが続くわけだから史実よりも悪い時代になるという予想です。私としては全面的にではないですが、賛成できる部分もかなと。
そこで個人的意見を書いてみようと試みたところ、どうにも想像(妄想)が広がりすぎてまとまらなくなってしまい、結局断念しました。
いつか機会があればまとめてみたいとは思いますが・・・。
考えてみれば、ハル・ノートが出された時点(提出は1945年11月27日)とか、戦端が開かれた後の講和を模索するより、もっと以前から始めた方が、よりましな歴史を歩ませる可能性が高いかな、と考えることもあります。
そこで思い出したのが、かなり前に読んだ檜山良昭『大逆転!太平洋戦争を阻止せよ』です。確か2.26または5.15事件以前からの戦争回避をシミュレートする内容でしたが、陸軍との折衝に苦労していた内容だった気がします。*2
いずれにしろ一筋縄ではいかなそうです。
ここは思い切って、佐藤大輔『レッドサン・ブラッククロス』のように日露戦争の結果を弄る(最後に陸で大敗)か、『パシフィックストーム』のように南北戦争の結果を弄る(アメリカを分裂させる)、というようにかなり遡って歴史改変させなければ無理かも。*3
ただ、一つの考え方として、部分的に歴史に介入しても、「時の意思」みたいな大きな流れを変えるのは無理で、まるで矯正するような事件が起こって結果的に史実と大して変わることはない(歴史の修正作用とでも呼ぶべきでしょうか)。
確か半村良『戦国自衛隊』でもそんな記述があったような気がします。
*2:書籍は入手困難ですが、テキストファイル版が発売されていますね。http://dl.rakuten.co.jp/shop/rt/prod/205000528/
*3:どちらも未完なのを思い出した。・゚・(ノД`)・゚・。