ちょっと前の話。諸葛孔明(諸葛亮孔明)の質問があって回答した。
http://www.hatena.ne.jp/1138850823
三国志かぁ。中学くらいに漫画で読んで以来興味を持ち、吉川英治『三国志』ですっかり孔明のファンになったものだ。光栄の「三国志」でもよく「蜀」でプレイしたなぁ。
もっとも『蒼天航路』を読み始めた頃は、今度は曹操の魅力に引き付けられたものだから、まったく節操無い自分・・・。
しかし三国志関係に関心を失ってしばらく経っていたため、当質問への回答がすぐに思い浮かばず。しかも饅頭の由来についてもポカやっているし。
もっと時間をかければちゃんとした回答ができたはず、などと言い訳がましいこと思ってみたり。
園田光慶, 久保田千太郎『三国志』
吉川英治『三国志(1)』 李学仁, 王欣太『蒼天航路』
以下、昔の記憶を頼りに適当なこと書く。
たぶん田中芳樹の本で読んだのだと思うが、当地である中国では孔明の人気はさほどではないらしい。むしろ岳飛の方がダントツの人気らしい。ちなみに関羽はなぜか商売の神様になっているとか。
日本で孔明の人気が高いのは「判官びいき」の為ではなかろうか。亡き主君の遺児へも変わらぬ忠誠を尽くし、国威傾きつつある蜀の為に孤軍奮闘する宰相・孔明。しかも邪魔者(魏延)や足をひっぱる奴(泣いて斬った馬謖や、君側の奸である宦官とか)など悲劇の英雄の引き立て役に不足なし!
しかし努力は報われず、悲憤の内に遂に死に至るが、死しても尚仲達を走らせちゃってもう神扱い!
あ、いや茶化すわけじゃないけど、何か日本史に例えれば楠木正成や真田幸村みたいだなぁと。ちなみに「三顧の礼」は太閤記にも使われている(秀吉→竹中半兵衛)。
そういえば国力を省みず強大な魏に北伐を繰り返すあたりは、まるでアメリカに戦争を仕掛けた日本がオーバーラップする。→『孔明の艦隊』などというトンデモ火葬戦記もあったね。
孔明としては国力が劣ることは充分認識していながらも、漢の後継を自負する以上、簒奪者の魏を討つことは蜀のとしては何よりも優先すべき大義だったのでしょうね。
しかし歴史の素材としての三国志を本当に魅力的にしているのは曹操の強烈な個性ではなかろうか。器量や天才性でいったら劉備や孫権はとうていかなわない。
面白いのは蜀びいきで書かれた物では、曹操は常に負けているのに何時の間にか魏は蜀を圧倒していて、孔明さんがいつも苦労する羽目になること。
もし曹操が早く死んでいたら、劉備は劉邦になれたか?
うーん難しいかも。司馬氏が後漢かどこかの国を簒奪して晋を建国するか、長い戦国時代が到来しそうなな気がする。