TBS「日曜劇場『JIN-仁-』」第7〜9話

第8話を飛ばして第9話を先に見た後、8話を見たものとして勘違いして消してしまって困ってしまったのです。しかし昼間再放送を行っていると知り、無事見ることができました。
そういうわけで今回は3話連続で感想いきます。

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TBS「日曜劇場『JIN-仁-』」第5話、第6話

放映してからだいぶ日が経ってしまいましたが、珍しく毎回見続けているドラマなので簡単な感想を書いていきたいと思います。

第5話「神に背く薬の誕生」

野風(中谷美紀)の頼みを聞き入れ、仁(大沢たかお)はもう一人の患者を診察することになった。その患者とは、野風の先輩花魁である夕霧(高岡早紀)。夕霧は重度の梅毒に侵されており、江戸時代の医術では手の施しようがない状態であった。
なんとか救ってほしいと野風から懇願された仁だが、特効薬である「ペニシリン」がない今、自分でも治すことはできないと告げる。しかし、これ以上梅毒の患者を増やさないためにも「まずは廓の中からの予防が大切」だと考えた仁は、緒方洪庵武田鉄矢)とともに鈴屋の女郎たちに梅毒の検診を申し入れることに。ところが、仕事を失うことを恐れた女郎たちに真っ向から拒否され、途方に暮れてしまう。
そんなある日、とあるきっかけでついにペニシリンの製造方法を思い出した仁は、すぐさま西洋医学所に走り、洪庵たちにペニシリンの作り方を説明。
しかし、夕霧の容態は刻一刻と悪化しており、ペニシリンの製造が急務になっていた。思うように事が運ばず、もはやこれまでかと思われたその瞬間、ついにペニシリンの薬効が確認され−−!?
※公式H.Pのあらすじより


詳しくは知らないけど、梅毒末期状態って体の内部だけでなく見た目もかなり酷い状態になるんじゃないかと思うのですが、さすがにドラマじゃ抑えられていますね。
まぁ一応、病気に対する江戸時代人の認識についても触れらていたのは良かったです。
医学の歴史を大きく変えることになるペニシリンの発明については、原作では青カビからの生成は研修医時代の友人から聞いたのだけど、ドラマでは後に恋人となる・未来みき)から得たことになってる。オリジナルキャラクターである未来とのエピソードとして、これくらいの改変なら気にならないかな。


見ててすごいなと思ったのが、科学技術が発達していない時代に青カビからペニシリンを生成しようとする仕組み。かなり大掛かりであり、ああやってビジュアルで見せられるといかに大変だということがよくわかりますね。*1
そうそう、青カビと言えば、咲が医学所に持っていった差し入れの重箱の中身には笑わされましたよ。
それにしても、ラストでまた写真が変わってびっくり。

第6話「生きてこそ…」

江戸時代にはなかった「ペニシリン」を作り上げ、梅毒治療に一石を投じた仁(大沢たかお)。その神懸り的な医術は、江戸の町に次々と広まり、南方大名神という護符まで出回るほどの大評判となっていた。そんな噂を聞き入れてか、仁は医学館の奥医師との対面を申し込まれる。
医学館の奥医師である多紀(相島一之)と対面した仁は、多紀からその素性について問いただされる。護衛についてきた龍馬(内野聖陽)や恭太郎(小出恵介)も一緒になって、仁の素性をうまくはぐらかそうとするが、医学館の仁への不信感はますます強いものになるばかり。
そんな時、同席していた医学館の福田玄孝(佐藤二朗)が突然腹痛を訴え、その場に倒れこんでしまう。福田を診察し、胃潰瘍穿孔の可能性が強いと判断した仁は急遽、医学館の面面が見つめる中で緊急手術を行うことに…。
さらに、佐分利(桐谷健太)が、西洋医学所を揺るがす事件を引き起こしていたことも発覚して…!?
※公式H.Pのあらすじより


メインとなるのが医学館での胃潰瘍手術、そして刺客に襲われて危うく逃れた場面。
この回、今までの中ではもっとも良い印象でした。
道具を揃えての手術シーンはもとより、違う時代に闖入したにも関わらず医学において影響を及ぼしてしまった仁の難しい立場が表面化したり。
更にタイムスリップして以来、何度も病と闘ってきてもリアルに生きている証を感じられない仁。そこを咲に助けられて、時代は違えど生きている実感を得たあたりは納得できる作りになっていたと思います。
実はそれまでの咲はなんか仁のストーカーじみた(笑)、どうもはっきりしない演技が目立ったのですが、やっと咲本来の思い切りの良さが見られたなって感じです。


それにしてもですね、先の山田純庵と同様に福田玄孝はあまりにも原作とイメージかけ離れてしまってますね。今後の仁のサポート役として欠かせない人物だけにちょっと気になります。それに佐分利医師が乳癌のエキスパートというエピソードは省略されるらしい。*2
一方で緒方洪庵役の武田鉄矢によって会話のメリハリが効いていますね。次回でついに病に倒れることになりそうですが。

*1:その割には成功率低いのだし

*2:乳癌手術によってあの三隅俊斉が絡んでくるのだけど、それによって話が長くなってしまうか

TBS「日曜劇場『JIN-仁-』」第3話、第4話

録画した番組を後から見ているので実際の放映とはずれてしまうのですが、簡単な感想を書いてみます。
第3話で描かれた虎狼痢(コレラ)との対決は序盤の山場であり、医学所の面々との関わりや橘家の人々の思い、特に仁にとっては自身が九死に一生を得たりと見せ場が多いエピソードで期待していたのですが、安易過ぎる展開にガッカリ。感情過多な演出にウンザリ。*1
時間が限られたドラマゆえに原作の全てを盛り込むことははなから無理とは承知していましたが・・・。作りがチャチな分を感情に訴えようとするドラマの欠点を見て取れたため、続けて見るか辞めようか迷っていたのですが、一応4話も見てみました。


前回の件で医学所に受け入れられ*2、手術道具も揃え、着実に時代に慣れていく仁の様子。そして、検査機器の無い時代では考えられない脳の外科手術シーンなど、多少の色付けがあったけど、まあまあの出来でしたね。そして次回はいよいよペニシリンが登場か。チラリとしか見えなかった夕霧(高岡早紀)の病状、そしてその治療が気になる。*3
それにしても最後はあそこまで写真が劇的に変わるなんてびっくりでした。やっぱりタイムスリップ先の行為で未来が変わるのを示しているのは「バック・トゥ・ザ・フューチャー」が元ネタかな。*4


ところで、仁を巡る咲と野風の三角関係が原作以上に強調されていきそうです。まして、仁の恋人・未来(みき)に野風がそっくりというオリジナル要素が加わっているので微妙。別にそれはいいとしても、それぞれの生きていた時代や属性(武家の娘、花魁)という点はきちんと考慮してほしいですね。

*1:あくまでも原作を知る立場としては、という意味で

*2:医学所の医師たちの会話シーンの後、一瞬場違いな場面が流れたけど、あれはたぶん佐分利じゃないかなぁ。わかりづらいけど

*3:ドラマ版の山田純庵は相変わらず生意気そうだけど、ちゃんと協力できるか?

*4:1にて、ビフがロレイン(母)に手を出したせいで家族写真からマーティが消えかかっている中、若きジョージ(父)が勇気を振り絞ったおかげで元に戻った。ついでに未来も変わってしまった。

TBS「日曜劇場『JIN-仁-』」

今年5月に漫画「JIN−仁」のことを知って買ってみたら、これが面白くてハマってしまったことは以前書きました。その後、続きをコンスタントに買い続け、2ヶ月ほどの間に15巻まで制覇してしまったのですよ、実は。*1
そして今月から連続ドラマとして放映されるということで、あまりテレビドラマは見ない私ですが、多少は気になって一応録画。この間の日曜日に1,2回を続けて見てみました。
公式H.P

*1:現在、最新巻として16巻が出ているらしいけど未読

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いがまんじゅう?

はてなハイクでも書いたのですが、昨夜日本テレビの「ケンミンショー」という番組で紹介されていた「いがまんじゅう」。赤飯代わりに結婚式の引き出物にも使われ、子供から年配までお馴染みの埼玉県民(北部)に愛される食べ物とのことですが、一時期のぞいて長らく埼玉県民やっている私はこんなの見たことも聞いたこともないぞ〜。*1


そこでネットでも調べてみました。
いがまんじゅう 埼玉の特産品

甘いあん入りの蒸し饅頭に赤飯をまぶした、ちょっとおはぎに似たお菓子です。赤飯を蒸す時、一緒にせいろにいれたのが、はじまりといわれています。蒸しあがった時のようすが、栗のイガに似ている事から、この名前が付けられました。

ごちそう埼玉・加須市

北埼玉地域に伝わる「いがまんじゅう」は、田植えの後の農上がり休みや、夏祭りなどの日に出される特別なごちそう。戦後しばらくは各農家で作られていました。
蒸しまんじゅうの表面を覆うように赤飯をまぶした独特の製法は、当時、餅米が貴重だったために考え出されたものといわれています。またその名の「いが」は赤飯を栗のいがに見立てたことに由来しています。
生地と赤飯が甘いあんと組み合わさることで醸し出す絶妙な味覚と食感は、かつての“生活の知恵”が生んだ個性あふれるおいしさなのです。

いがまんじゅう

いがまんじゅうの由来
 埼玉県北東部の穀倉地帯に古くから伝わる「いがまんじゅう」。夏祭りや祝い事の際に作られてきた縁起物で、現在でも郷土の味として親しまれている。
 もち米が高価なため、ボリューム感を出そうと赤飯の中にまんじゅうを入れたのがはじまりとも、赤飯とまんじゅうをいっぺんに作って手間を省くという農家のお嫁さんの知恵から生まれたとも言われている。
 「いがまんじゅう」の名は、赤飯で包まれた形が、栗のイガに似ているところから名付けられたのだとか…

どうやら埼玉県でも加須市羽生市・旧川里町(現・鴻巣市)といった北東部で好まれる和菓子のようです(そういや番組内でも紹介されていた店舗はほとんど羽生市だった気がする)。
こちらの地域には親戚も知り合いもいないので食べる機会が無かったということか。


むしろ個人的に埼玉北部のローカルフードとして思い浮かぶのがゼリーフライまたはフライですが、こちらも行田市羽生市熊谷市・旧吹上町(現・鴻巣市)あたりまでなので、同じ北部でもその他の地域の人は知られていない可能性はあります。
wikipedia:行田のフライ
wikipedia:ゼリーフライ
こういう一地域では熱心に食べられているけど、実はちょっと離れると全く知られていない、知る人ぞ知るローカルフードって各地にもあるのでしょうね。


ちなみに私は赤飯も饅頭も好きなので、このいがまんじゅうを一度食べてみたいとは思いますが、これけっこう腹に溜まりそうですね。

*1:一応、私の実家は埼玉県北部。そして私と同様に埼玉居住が長い妻も知らなかった

NHKドラマ8『七瀬ふたたび』

http://www.nhk.or.jp/drama8/nanase/
珍しくドラマ見ています。録画でおっかけだけど。
この作品のドラマ化はたびたびされているようですが、実際に見てみたのは初めてですね。最初は1979年に多岐川裕美主演でドラマ化されていたとは全然知らなかった…。
ちなみに七瀬シリーズとしての一作目『家族八景』は1986年に堀ちえみ主演で放送されたドラマを見てましたよ。七瀬が人の心を聞く時にさりげなく耳元に手をかざす仕草がそれっぽくて良かったですね。


それで今回の映像化ですが、設定上は原作と大幅に変わっています。超能力者たちの名前や職業が変えてある他、黒人青年だったはずのヘンリーが日本人になって、予知能力者の恒介(原作では恒夫)と一緒にマジックバーに勤めている。更に母親の死で七瀬はテレパスとしての覚醒が始まったばかり。*1人ごみで大勢の心の声が聞こえて戸惑う七瀬に対して、テレパスとしては先輩の朗(原作はノリオ)が「窓」の閉じ方を教えるということも。*2
このドラマで『七瀬ふたたび』を知って原作を読むがいたりしたら、その違いに驚くだろうけど、同時に人の心の醜さの露骨な描写が刺激強すぎるかもしれんと余計な心配をしてしまうのです。*3


まぁ読んだのが二十歳前だっただけに原作に思い入れがある自分としては違いが気になるのは確かですが、たぶんドラマ単体として見れば、そこそこ面白いんじゃないでしょうかね。
心を読まれて化け物呼ばわりするという一般人のごく普通の反応とか、能力者としての七瀬自身の苦悩などはわかりやすく表現されていて、そのへんが後半に繋がっていくだけに重要な要素ですね。
オリジナルキャラとして連続殺人事件を予知した恒介を重要参考人物として追う刑事やマジックバーの店長(北原総一郎)はいい味出してますけど、七瀬の友人(柳原可奈子)の演技はちょっと白々しいような…。*4

七瀬ふたたび (新潮文庫)

七瀬ふたたび (新潮文庫)

*1:回想シーンにより、潜在能力は幼少時からあったらしい

*2:原作では七瀬がノリオに「鍵」のかけ方を教えた

*3:筒井康隆ジュブナイルはそのへんが特徴

*4:原作で一般人だけど七瀬の友人になったヘニーデ姫のような存在かな

正月のTV番組より

最近ではお正月のスペシャル番組などほとんど見なくなった私でして、長編ドラマも録画しておいても結局見ないので今では無視。
そんな中で今年はちょっと興味を引いた番組があったのです。
タモリのヒストリーX 1/3 フジテレビ 23:30〜0:30
「歴史好きのタモリを唸らせるような、衝撃の歴史的新説を披露するのは誰か?」
お題と主な内容は以下の通り。

巌流島の決闘は後世に弟子達によって作られた内容。実は宮本武蔵一党が先に来ていて、万一の為に弟子を配置しておいた。
苦戦の末に佐々木小次郎に勝った武蔵だったが、とどめは弟子達がよってたかって倒した。

聖徳太子と呼ばれる人物は100年以上後に作られた虚像。
モデルとされた厩戸皇子には、確実に残っている事跡として斑鳩寺建立くらいしかない。
中国など外国に対して、日本にもこんな立派な人物がいたと自慢したい為に作られたのではないか。

  • 大奥のドラマで再現できない、ちょっとHな話(安めぐみ

大奥に入る為の変な試験(裸おどり)
かつて春日局のように乳母が権力を持った例を避ける為に、乳母は覆面をして授乳をした。

強い戦国武将と呼ばれる信玄だが、実はかなり慎重で必ず勝てそうな戦を行い、勝ちが決まったと思った場面でないと騎馬隊や風林火山の旗を使わなかった。
寵童出身であった高坂昌信の言うことはよく聞いた。高坂昌信の表した「甲陽軍鑑」は武田信玄のことを褒め称えているのである。

※()内はプレゼンテーター。内容は記憶によるので、間違っている部分もありえます。


まぁ、内容は既知のものが多々あったけど、意外なものもあってそれなりに楽しめました。
バラエティ番組に真剣に突っ込むのもどうかと思うので細かくは書きませんが、一つだけ。最後の武田信玄で、「逃げの高坂(弾正)」は臆病という意味じゃなくて、退却戦の巧さから来ているはずでしょ。「甲陽軍鑑」の作者と言い切るのもどうかと。*1


一ついいこと言っているなと感じたのは、歴史とは新しい史跡の発見によって、それまでの定説が簡単に覆るということですね。*2
聖徳太子については、時代によって教科書でだいぶ違うのがいい例です。
若い頃に読んだ歴史書の内容を大切に憶えていても、その後の歴史学の経過によって知識が古びてしまっていることがありえるのですよね。
そういうわけで詳しいと思っているつもりでも、いつまでもその知識が通用するとは限らず、油断ならないのが歴史だと思い直しましたよ。

*1:高坂昌信原案・小幡景憲編集と言っていいかと。あと戦略的・戦術的な慎重さからくる「ビビリ」だったら織田信長の方が上かと思うけど。

*2:今まで読んだ歴史関係の本でもそのことに触れているものは少ないです